近年、化粧品業界でも技術革新や研究開発が進み、ナノテクノロジーの化粧品が増えています。
美容成分などの有機成分をナノサイズ化した美容液や、無機成分をナノサイズ、ナノカプセル化することによって、肌への浸透を高めるのが主な目的です。
有効成分 は基本的には肌の細胞間を通って浸透しますので、ナノカプセルは40から60nmぐらいにサイズで開発されています。
現在化粧品に使われているナノ粒子と しては
といったものがあります。
ところがこうしたナノ化粧品のうち、一部の安全性について、近年欧米などで疑念の声が上がるようになってきました。
日焼け止めやファンデーション などに使われる無機系紫外線散乱剤の酸化チタンや酸化亜鉛などは微粒子が小さすぎて皮膚から体内へ浸透する疑いがでてきたのです。
紫 外線散乱剤として使われる酸化チタン、酸化亜鉛は「超微粒子」ともいえるような5nmサイズまで登場しています。
このサイズですと紫外線を少量で防止する 効果も高く、光の反射をコントロールして白浮きを少なくできます。
これはレイリー散乱(粒子の小ささに対して反射光も小さくなるという効果)によるもので、肌の凹凸を目立たなくし、透明感をもたらし、仕上がりをよくみせることができます。
しかし酸化チタンや酸化亜鉛は紫外線を吸収すると瞬時に表面に電子 を生成して活性酸素やラジカルを発生させてしまいます。
また毒性の強い炭化水素などが表面に吸着しやすく、こうした事態を避けるために酸化チタン表面の コーティングが必要になります。
しかしコーティング技術には高度な技術が必要で、メーカーによって出来に違いが生じる問題があるようです。
このようなナノ粒子に対する安全性について、比較的動きの遅い日本でもようやく安全性に関する評価などの研究がはじまっています。
対象は酸化チタン、酸化亜鉛、炭素系カーボンナノチューブ、そして今注目の成分、フラーレンも含まれています。
フ ラーレンは炭素が60個配置された球状の物質で、別名ラジカルスポンジといわれるほどの強力な抗酸化作用を持ち、活性酸素を吸い取り、美白やシワ予防など アンチエイジングの効果が期待されている成分です。
しかしいくつかの研究結果において、哺乳類の細胞に入り込み、DNAを傷つけ発ガン性を引き起こした り、マウスによる実験で胎盤を通過し胎芽の発達を損傷したりというデータが出ています。
フラーレンの肌に対する効果は期待したいところですが、ナノ粒子と しての問題を考えますと、もう少し安全性が確かめられるまで使用を控えてみてもよいかもしれません。